高耐磨耗性・高耐エロージョン性特性・製品情報

アルミナイズ処理のFe-Al金属間化合物で得られる高硬度(Hv800~1000)を活かした製品も数多く実施しております。
ボルト類のカジリ防止や自動車部品シールリング・高圧配管等あります。最近では、鉛フリーハンダ槽への高温Snエロージョン対策として処理を実施しており、SUS304・SUS316と比較しても非常に優れた性能を示しております。

高耐磨耗性・高耐エロージョン性が役立つ用途

耐磨耗比較表

鉛フリーはんだのエロージョンによる鋼材サンプルの減量率

高温暴露におけるナットゆるめトルク及び取り外し性能試験

試験方法

鋼材にボルトを所定のトルク(14,500kgf)で締付け、 450℃高温暴露試験をα処理材・無処理材にて実施
暴露時間は、10・24・48・120時間実施し、又その他に 150 時間塩水噴霧試験も実施
ナットの取り外し性能は、トルク測定後、そのままナットを回転させ、そのままボルトから取り外し可能か否かを調査した。
供試材は、ボルト:SNB7 U”1X100 ナット:S45C(防錆油塗布)

TP No ナットのゆるめトルク及び取り外し性能 ナットの
取り外し性能
1 2 3 4 5 6 平均
初期締付トルク α処理 74 74 74 74 74 74 74 全て可
無処理 69 69 69 69 69 69 69 全て不可
10時間 α処理 124 120 130 130 125 130 126.5 全て可
無処理 130 130 140 125 125 130 130 全て不可
24時間 α処理 110 130 120 130 130 130 125 全て可
無処理 145 155 130 145 140 140 142.5 全て不可
48時間 α処理 120 110 110 100 110 110 110 全て可
無処理 95 90 95 95 90 100 94.2 全て不可
120時間 α処理 100 97 90 100 - - 97 全て可
無処理 70 58 60 82 - - 67.5 全て不可
塩水噴霧 α処理 58 60 65 - - - 61 全て可
無処理 68 67 68 - - - 67.7 全て可

考察

α処理ボルトは、AL-Fe合金層が非常に硬い為、ボルト・ナットのねじ間の固着を起さず、又、合金層が緻密な組織となっており、α処理同士の接触部ではスベリ効果が有効に作用している。
無処理材は加熱時間の増大に伴い、ボルト・ナット接触面がクリープ現象を起こしており、締付トルクの低下が発生している。

  • 試験後のα処理の表面状況
  • 試験後の無処理材のかじり(溶着状況)

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